【執筆者】整形外科医 竹谷内 康修 

慈恵医大卒。福島県立医大整形外科に入局。米国のナショナル健康科学大学でリハビリ技術を習得。2007年東京駅の近くで開業。著書・マスコミ掲載多数。

最終更新日:2019年11月6日 公開日:2019年11月6日

坐骨神経痛に効くストレッチの具体的な方法を紹介します

坐骨神経痛は足腰の症状のなかで、最も多くの人たちを悩ませている症状の一つです。

当院でも治療や予防のために、一人でできる坐骨神経痛ストレッチを患者さんへ教えています。

院長の腰部脊柱管狭窄症の著書(自分で治す! 脊柱管狭窄症 洋泉社)のなかで推奨しているストレッチをはじめ、坐骨神経痛に効果的なストレッチを具体的にいくつかご紹介したいと思います。

坐骨神経痛を引き起こす原因は、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群などがありますが、それぞれに適した坐骨神経痛ストレッチをここでは取り上げました。

腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に効くストレッチ
-腰を曲げる動作が辛いなら-

 

・猫のポーズ

腰を反らすことでヘルニアによる神経圧迫を和らげます。また、ひざを曲げることで神経のつっぱりを緩めます。

 

手順

1.手をついて四つん這いになり、胸をゆっくり床に下ろします。そのとき、おしりの高さはキープしたままにします。猫の背伸びをイメージするとわかりやすいです。

2.胸が床についた状態で、背中から腰を反らすように伸ばします。腕は肘を曲げて頭の横におきます。また、顔は左右向きやすい方に回します。

腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症による坐骨神経痛に効くストレッチ
-腰を反らす動作が辛いなら-

 

・膝抱え体操

両膝を抱えて腰を丸めることで脊柱管が広がり、脊柱管を通る神経の圧迫を和らげます。

 

手順

1.仰向けで、膝を両手で抱えて胸に近づけます。

2.腰が丸まるように両膝をしっかり引き寄せます。

3.お尻の下に座布団や枕を敷くと、楽に腰を丸められます。

梨状筋症候群による坐骨神経痛に効くストレッチ
-座位や仰向けの姿勢が辛いなら-

 

・股関節外旋ストレッチ

梨状筋をゆるめて坐骨神経の圧迫を軽減します。

手順 右足の場合

1.イスに座り、左太ももの上に右足をのせて膝を曲げます。

2.次に上半身を前に倒し、右のお尻周辺を伸ばしていきます。

☆床に座った方法もあります!

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とはどのような症状かをおさらいしましょう。

坐骨神経痛は、腰から足に向かって走る坐骨神経が脊柱管内や脊柱管を出たあとに骨や軟骨、靭帯、筋肉等で圧迫されて出現します。

そして坐骨神経痛とは、坐骨神経が行きわたっているお尻から太もも、ふくらはぎ、すね、足の甲や足の底にかけてあらわれる痛みのことを指します。

なお、坐骨神経痛は病名ではありません。なんらかの原因で坐骨神経が圧迫をうけて出る“痛み”の呼び方なのです。

以下のような病気で坐骨神経痛が起きることが多いです。

 

腰椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症

梨状筋症候群

・腰椎すべり症 など

 

坐骨神経痛を起こす腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの違い

坐骨神経痛の原因で最も多い腰部脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの違いをここで述べたいと思います。

 

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは名前の通り、腰部にある脊柱管が狭くなり、脊柱管内を通る神経が圧迫され、痛みやしびれが出る病気です。

なかでも、狭窄症には、間欠性跛行と呼ばれる症状があります。

間欠性跛行とは、歩いていると腰痛や坐骨神経痛が悪化して歩けなくなりますが、しばらく座っていたりや腰をかがめた姿勢を続けていたりすると、症状が治まって再び歩けるようになることをいいます。

症状が進行した場合は、排尿障害が生じることや、足に力が入らなくなって歩行困難になることもあります。

 

腰部脊柱管狭窄症に効くストレッチは、前出の膝抱え体操です。

*高い所に洗濯物を干す姿勢や電車でつり革をもつ姿勢は、腰を反らす格好になるので、脊柱管内の神経が圧迫されて坐骨神経痛が出現することがありますので気をつけましょう。

 

腰椎椎間板ヘルニア

一方、腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の中にある髄核が、外にはみ出すことで腰の神経を圧迫し、痛みやしびれがでる病気です。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰を丸めるお辞儀や立った姿勢で症状が出現し、逆に腰を反らすことで症状が和らぐのが特徴です。

しかし、稀に腰を反っても症状がでることがあります。

腰椎椎間板ヘルニアに効くストレッチは、猫のポーズ体操になります。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

筋肉が原因で起こる坐骨神経痛
‐梨状筋症候群とは-

腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどともに坐骨神経痛を起こす病気として梨状筋症候群があります。

梨状筋症候群とは、梨状筋という大腿骨と仙骨をまたぐ筋肉が座位、仰向け、側臥位などの姿位で圧迫を受け、それによって梨状筋の下を走る坐骨神経が圧迫を受けて出る病気です。

また、症状が悪化すると立っているだけでも坐骨神経痛がでる場合があります。梨状筋症候群によいストレッチは、股関節外旋ストレッチになります。

Q&Aコーナー

Q.ストレッチをすると坐骨神経痛が出るのですが、やめた方がいいですか?

A.ストレッチをしていて気持ちいい感覚なら問題はありませんが、患部の痛みやしびれが出るようであればすぐに中止しましょう。

どのようなストレッチが体に合うのか専門医に相談する事をお勧めします。

 

Q1.ストレッチが効いているのかわかりません。

A1.一人でストレッチを行うと、やり方が我流になりがちです。

間違った方法で行うと効果が半減してしまいます。

ストレッチが効果を上げているか分からない場合は、一度専門家から指導を受けることが望ましいと思います。

 

Q2.症状が良くなってもストレッチは継続した方がいいですか?

A2.しばらく継続した方がよいでしょう。

もともと、坐骨神経痛になる人は、普段の生活で腰への負担が多いと考えられます。

今後、坐骨神経痛になりにくい状態を維持していくためにも何らかのストレッチは行っていくことが大切です。

 

Q3.立ち仕事中の坐骨神経痛が辛いです。何か良い対策はありますか?

A3.立ち仕事をしているときの坐骨神経痛に対しては、症状のある側の足を台の上に乗せる対策が有効です。

台の上に足を乗せると腰の反りが少なくなり、脊柱管内の神経への圧迫が減少し、さらにひざが曲がることで坐骨神経がゆるむので、坐骨神経痛を和らげることができます。

ちょっとの時間でもかまいませんので、片方の足を台の上に乗せる習慣を作りましょう。

 

まとめ 坐骨神経痛ストレッチはよく選び、継続することが大切です

今回ご紹介した坐骨神経痛ストレッチはいかがでしたか?

様々な坐骨神経痛ストレッチの中でも選りすぐりのものをご紹介しました。

自分の症状にどのストレッチで効果が出るのかを十分に考えて選んで行うことが大切です。そして、根気よく継続して行うと、効果が現れやすくなります。