腰椎椎間板ヘルニアは医療関係者以外にも名前をよく知られている有名な病気です。それは、ひどい腰痛や足の痛みやしびれを引き起こし、日常生活に支障を来すほど厄介で、多くの人がかかる病気だからです。

腰痛の代名詞とも言えるヘルニアですが、正しい診断と適切な治療が必要です。

腰椎椎間板ヘルニアに漫然と薬だけで治療をされていたり、すぐに手術を勧められたりしていませんか?

院長は整形外科医として病院に勤務していたときに、腰椎椎間板ヘルニアを診断するとともに、薬・注射・手術などで治療をしてきました。

それらは、一定程度に有効ではありますが、副作用や危険性も同時に併せ持ちます。そのため当院ではそれらは使わず、比較的に安全な手技療法で治療をしています。

院長は医学とカイロプラクティックの両方に精通しているので安心してかかることができます。

椎間板とは

脊柱(背骨)は頚椎、胸椎、腰椎、仙骨、尾骨などたくさんの椎骨が連結してできています。その椎骨同士をつなげているのが軟骨でできている椎間板です。体をかがめたり、後ろへ反らしたりする時、椎骨は骨であるため硬くて変形しませんが、その代りに軟骨の椎間板が変形して脊柱が屈曲・伸展します。

椎間板は、楕円形で円盤状の形をしています。そして線維輪、髄核、終板という3つの組織からできています。ところで、椎間板の構造は、お饅頭に似ています。お饅頭の皮にあたるのが線維輪で、あんこが髄核です。線維輪は硬い組織でバームクーヘンのように層を作り、髄核を取り囲んでいます。

髄核は椎間板の真ん中にあり、水分が多く白くてゼリー状をしています。髄核は、生まれたばかりの時に水分量が最も多く、年齢と共に枯れるように水分が減っていきます。

終板は椎間板が背骨にくっつく平べったい接続部分です。

椎間板には血管が少なく、大人になると全くなくなります。血管が少ないので、椎間板には栄養が行きにくく、一度傷つくと元に戻ることはほとんどありません。

椎間板は年を取ると水分を失い、つぶれて扁平化していきます。年を取ると身長が縮む原因の一つが、椎間板の扁平化です。

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアは椎間板が腫れて通常より出っ張った状態のことを指します。椎間板の線維輪が老化や怪我(強い外力)で傷むと亀裂が生まれ、外側にふくらんで起こります。

椎間板の一部分が出っ張ったり、全体的に出っ張ったりします。椎間板の外側の線維輪に傷ができて張り出す場合と、さらに椎間板の内側にある髄核が外側の線維輪を突き破って外に飛び出る場合があります。

髄核が外に飛び出て、椎間板から離れていくこともあります。椎間板の後側方の線維輪は、構造上最も弱いため、そこから膨隆しヘルニアが起きやすくなっています。

腰椎椎間板ヘルニアのMRI画像

MRI矢状断像-腰椎椎間板ヘルニア

MRI横断像-腰椎椎間板ヘルニア

左のMRIは腰椎を前後方向に輪切りにした画像です。左側がお腹側で、右側が背中側です。椎間板の髄核が後方(背中)に飛び出し神経の通る脊柱管を圧迫しています。 右のMRIは、腰椎を水平方向に輪切りにしたMRIです。画像の上がお腹側、下が背中側、右が左側、左が右側です。身体を足から頭へ見上げたような向きです。やや体の左側から後方へヘルニアが出ています(後側方ヘルニア)。

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛、お尻の痛み、足の痛み、足のしびれです。進行すると、足の筋力低下、膀胱直腸障害といった怖い症状も起きます。一般に腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛だけでなく、痛みやしびれがお尻、太もも、ふくらはぎ、すね、足の甲や足底、さらには足の指などに現れます。足へ放散する痛みは坐骨神経痛とも呼ばれ、ほとんどの場合、片方の足に症状が出ます。腰椎椎間板ヘルニアは、臨床的に腰と足の両方に症状が出るのが特徴です。腰痛だけの場合もありますが、足に症状がないと椎間板ヘルニアが原因と診断されることはまれです。

重症の腰椎椎間板ヘルニアの症状

重症の腰椎椎間板ヘルニアでは、足の皮膚の感覚が鈍くなったり、足に力が入りにくくなったりします。ひどいと足首に力が入らず、つまずきやすくなったり、スリッパが脱げやすくなったりします。

この状態が長い間続くと、痛みが消えた後もヘルニアの後遺症として皮膚の感覚異常と足に力が入りにくいといった筋力低下が残ってしまうことがあります。

通常は片方の足だけに痛みやしびれが出ることが多いのですが、ヘルニアの出っ張りが大きくなると、両足のしびれや痛みが出たり、膀胱や直腸をコントロールする神経(馬尾)まで障害を起こし、会陰部のしびれや残尿感、便秘が出現したりすることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアはこんな時に痛みます

腰椎椎間板ヘルニアでは、腰を曲げたり伸ばしたりすると腰痛や足の痛み、足のしびれが悪化します。特に前かがみで悪化することが多いです。

また、咳やくしゃみで痛むのもヘルニアの大きな特徴です。さらに、立ち座り動作、歩行、寝返りで痛みが出ることがあります。

歩くと症状がひどくなり、しばらく立ち止まると痛みが和らぎ、再び歩けるようになることもあり、これを間欠性跛行といいます。

腰椎椎間板ヘルニアと痛みの関係

ヘルニアがそばを通る太い神経(神経根)を押したり神経に炎症を起こしたりすると腰痛や足の痛み、足のしびれが起きます。

椎間板には神経が分布していて、椎間板自体が傷むことで痛みが出ることも考えられています。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、繰り返し椎間板に力が加わることによって小さい傷ができ、それが積み重なっていくと、椎間板の外側にある線維輪に裂け目ができることです。

裂け目から椎間板の内側にある髄核がはみ出して”ヘルニア”となります。さらに、悪い姿勢を続けるなど、長い時間にわたり椎間板に圧力が加わると、椎間板が通常より外側に張り出します。

また、椎間板は水分を多く含んだ組織なのですが、年齢と共に水分が減り柔軟性を失います。この老化現象も椎間板の傷みの原因となります。

椎間板に傷をつけやすいのは、繰り返しの動作や腰への慢性的なストレスです。持ち上げ動作などの単純作業の繰り返しやスポーツなどがその例です。また、急に強い力が腰へ加わっても椎間板は傷つきます。重いものを急に持ち上げることや、くしゃみもヘルニアを引き起こすのです。

いずれにしても、長い年月をかけて蓄積した椎間板の傷みによってヘルニアが起きるのです。

腰椎椎間板ヘルニアが起こる年齢は?

腰椎椎間板ヘルニアは20代から40代の方に多く発症します。青壮年の方に多いと言えます。10代では椎間板がまだ老化していないので、比較的少ないですが、まれになる方もいます。

50代以降になると、ヘルニアと似たような症状を起こす腰部脊柱管狭窄症のほうが多くなります。しかし、高齢者でも椎間板が若く保たれている場合は、ヘルニアになることがあります。

腰椎椎間板ヘルニアの治療法

竹谷内医院カイロプラクティック治療室で行っている腰椎椎間板ヘルニアの治療は、様々な手技療法を組み合わせて行っています。椎間板への圧力を減らす目的で、腰部の筋肉の緊張を和らげることが治療のメインの一つになります。脊椎マニピュレーション(アジャストメント)や他の治療法を用いることもあります。また、痛みを軽減させる日常生活の指導にも重点を置き、さらに治療の効果を上げています。

また、患者さんによっては、コックス・テクニックを用います。この治療法は米国のDr. James M. Coxが広めたためその名にちなんで名づけられました。当院の院長は、米国インディアナ州にあるコックス先生の診療所を訪れ、直接コックス・テクニックを学びました。

治療にはコックス先生が開発した腰椎椎間板ヘルニア用の特殊なコックス・テーブル(写真参照)を用います。

コックス・テクニックの原理

コックス・テクニックの原理は、椎間板ヘルニアが起きている部位(椎間)に牽引をかけ、さらに屈曲することによって、椎間板の内圧を下げて椎間板の突出を抑え、神経へ圧迫を軽減することにあります。

また、側方にも屈曲させて圧迫をさらに減らします。一般的に病院で行われている牽引療法は屈曲を行わないので、両者の原理は大きく異なるといえます。

コックス・テクニックは薬や注射を用いない腰椎椎間板ヘルニアの画期的な治療法です。

コックス・テクニックの原理

腰椎椎間板ヘルニアQ&A

どれ位でよくなりますか?

まずは、そもそも診断が正しいかどうかがポイントになります。「整形外科で椎間板ヘルニアと言われました」という患者さんを診察すると、なぜヘルニアと診断したのだろうと不思議になることが度々あります。腰痛は診断がとても難しい症状なのですが、確かな証拠がないのに安易にヘルニアと診断されていることがよくあります。

もし本物のヘルニアだとすると、どれ位でよくなるかは個人差が大きく、また体の状態によって違いがあるので一概には言えませんが、通常2~3回の治療である程度の効果が表れてきます。ほとんどよくなるまでは、2、3ヶ月から半年位と幅があります。

治療でヘルニアはなくなるのですか?

必ずしもヘルニアが治療で消失するわけではありません。MRIを撮影してみると、治療前に比べてほとんど大きさが変わっていないにもかかわらず、症状は消失していることはよくあります。

ヘルニアをなくすことより、症状を良くし、日常生活を送れるようにすることがポイントとなります。

一度ヘルニアが良くなれば再発はしないのですか?

ヘルニアはしばしば再発することがあります。しかし、当院では再発予防の方法を徹底的に患者さんに伝えています。

現在の症状を良くするためだけの治療ではなく、いかに再発を防ぐかに重点を置いているのが当院のカイロプラクティック治療の特徴です。

どんなヘルニアでも良くなるのですか?

当院では数多くの患者様がヘルニアの痛みから解放され、日常生活を送れるようになっています。しかし、ある病気をもつ全ての人に効く治療法はないのも事実です。もし治療で効果が十分に出ない場合は、連携している脊椎外科医に紹介致します。