首が痛い人の症状の現れ方

・ある日、寝違えて首の痛みが出た。
・長年の首・肩こりが悪化して首が痛い。
・頭痛と首の痛みが同時に出る。
・痛くて頭を全然動かせない。
・上を向いたり下を向いたりすると痛い。
・じっとしているだけでも頭の重さで痛い。
・肩甲骨の間のあたりも痛い。
・腕のしびれや手のしびれも出た。

首が痛い人の診断

どの場所がどのような時にどう痛むかを問診で詳しく伺います。そして姿勢を観察します。次に首の周囲を触診し、筋肉の緊張状態を確かめます。また、首を大きく動かしたり、頚椎の一つ一つを動かしたりしてどこから痛みが出ているかを確認していきます。腕や手のしびれがある場合は、神経の検査も行います。
レントゲンやMRI等の画像検査は、撮っても首の痛みの原因場所をほとんど特定できないため当院では重要視していません。
問診、診察でどこがどのように悪いかをしっかり把握し、治療につなげていきます。

首が痛い人の治療法

首が痛い人は、姿勢が悪いことが多く、首を手で調整する治療に加え、姿勢を改善する治療やストレッチ、正しい姿勢の習得、さらには生活の見直しなども治療として行います。

首を手で調整する治療

首の痛みは、頚椎周囲の筋肉が固く緊張し、頚椎を圧迫していることが原因となっています。そのため、頚椎周囲の凝って固まった筋肉を手でやさしくゆるめる治療を行います。また、頚椎の関節の動きが悪くなっているので、瞬間的に関節に力を加える調整法を行います。筋肉と関節を治療し、首を正常化するのです。

姿勢の修正

姿勢が悪い人は、猫背で固まっていて、胸椎の動きが悪くなっています。そこで、胸椎の動きをよくするリハビリ治療を行います。すると姿勢がよくなり、首への負担が軽減されます。また、猫背を正すストレッチ体操の指導も合わせて行います。さらに正しい姿勢もお伝えし、普段、猫背にならないようにします。

生活の見直し

首の痛みが起きる人は姿勢が悪いだけでなく、生活に問題があることが多くあります。たとえば忙しすぎる、ストレスが多い、睡眠時間が短い、などです。実はこれらは、体を緊張状態にさせます。すると首が固くなり、首が痛くなるのです。当院では生活の状況を詳しく伺い、見直しの手助けをしていきます。

症例1 40代女性 上を向くと首が痛いケース

症状

台所で棚の上の物を取るときや、ペットボトルに入った飲み物を飲むときに、首の後ろにズキッとした痛みが起こる。首の痛みはとくに首の付け根あたりに起こり、2か月前から突然始まった。昔から肩こりがあり、姿勢の悪さを自覚していた。

体の状態

猫背姿勢のため背中をほとんど反らすことができない。上を向くときに背中が反らないため、首だけで反る動きをしており首の根元に負担がかかっていた。

治療

姿勢の改善のために、頚椎(首の骨)と胸椎(背中の骨)の関節を調整する治療をした。首のストレッチや正しい姿勢をお伝えした。5回の治療(約3週間)で首が痛いのはほぼ消失した。

コメント

大きく上を向いたり、首だけで上を向く動作を繰り返し行ったりすることは、首を痛めるリスクを高めます。体に負担のかかる動作をしていないか気を付ける必要があります。また、正しい姿勢を身に付けると予防になります。さらに定期的に治療を受けることで首の痛みを予防することができます。

症例2 50代男性 デスクワーク中に首が重だるい、痛みがある

症状

40代より仕事でパソコン作業が多くなり、仕事が忙しくなると首が重だるい感じがすることが多くなった。最近では下を向くと首が痛いこともあり、病院では年のせいで骨が変形しているためと言われた。

体の状態

頚椎(首の骨)がカーブの少ないストレートネックの状態になり、可動性が低下していた。首の横の筋肉が固く緊張し、首を横に倒す動きが特に小さくなっていた。また、座っている時の姿勢が悪く、腰が丸くなっていることが体全体の姿勢を悪くしていた。

治療

不良姿勢の原因となっていた、頚椎(首の骨)と腰椎(腰の骨)を治療した。また、パソコン作業時の正しい姿勢をご指導した。首の負担が減ることで筋肉の緊張が解け、4回(約2週間)のリハビリ治療で重だるい感じや首の痛みがなくなった。

コメント

デスクワーク中の不良姿勢は、頭の位置が大きく前に移動し、首に多大な負担をかけます。骨の変形が始まっていても、不良姿勢を改善し首への負担を減らすことで、症状の改善や将来、大きな病気になることを予防することができます。

症例3 30代女性 美容院や歯科医院での首の痛み、起床時の首の固さ

症状

美容院、歯科医院などで上を向いた状態になると首や背中に痛みがあり、首の骨が詰まるような感じがする。普段寝るときも、朝起きた時に首から肩にかけてこり固まっていることがある。夜間の食いしばりがあり、マウスピースを着けて寝ている。

体の状態

頚椎(首の骨)全体の可動性が低く、常に首周りの筋肉が緊張している状態であった。特に後頭部のすぐ下の第1、第2頚椎(首の骨)の可動性が悪く、首を反る動作が難しくなっていた。

治療

第1、第2頚椎に対して関節を調整する治療を行った。4回(約2週間)の治療で仰向けになった時の首が詰まる感覚がなくなり、朝起きた時の首こり、肩こりも軽減した。

コメント

食いしばりがある人は、首や肩も食いしばり中に固くなるので、肩こりや首の痛みが起きやすい傾向があります。リハビリ治療を集中的に受けた上で、定期的にメンテナンス治療も続けていくことをお勧めします。