坐骨神経痛とは

坐骨神経は、腰椎・仙骨から出て、太ももにかけて走る太い神経です。そして坐骨神経は、お尻、太もも、すね、ふくらはぎ、足の甲、足底、足の指の皮膚や筋肉を支配しています。その坐骨神経が走行上のどこかで圧迫などの障害を受けると、坐骨神経痛を起こします。
坐骨神経痛は、前述の部位に痛みやしびれとして症状を現します。坐骨神経痛は頭痛や腹痛などと同様に、単なる症状なので、症状を起こす病気がいくつかあります。代表的な2つの病気は、高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症と、10代、20代、30代の若者に多い腰椎椎間板ヘルニアです。両方とも坐骨神経が腰椎や仙骨から出るあたりで圧迫されて発症します。まれに、お尻にある筋肉で坐骨神経が圧迫される梨状筋症候群も坐骨神経痛を引き起こします。

坐骨神経痛の診察

前述のように坐骨神経痛は単なる症状なので、坐骨神経痛を起こしているの病気が何なのかを診断しなくてはなりません。
しかし、一般的な整形外科の病院を受診すると、「坐骨神経痛ですね。」とだけ患者さんへ伝え、診断名を言わない先生がいます。病院では、坐骨神経痛の原因が、腰部脊柱管狭窄症でも、腰椎椎間板ヘルニアでも、初期治療は同じような飲み薬や湿布ですので、細かい診断名は重要ではないのです。
竹谷内医院では、手で行うリハビリ治療や体操の指導を行っているので、診断がとても重要になります。診察の際には、足腰を触診したり、動かしたりなど、体がどのような状態なのかをしっかり把握して診断を下します。
ところで、坐骨神経痛の診察は、丁寧に行わないと、誤診しやすい病気があります。整形外科の病院で坐骨神経痛と言われ、当院を受診した患者さんが、実は、坐骨神経痛に似た症状を起こす変形性股関節症であったことが度々あります。変形性股関節症は高齢者に多く、腰部脊柱管狭窄症で現れる坐骨神経痛とよく似たお尻、太もも、鼡径部の痛みを起こします。誤診されやすいため坐骨神経痛には丁寧な診察、診断が求められます。

坐骨神経痛の治療法

坐骨神経痛の原因が腰部脊柱管狭窄症の場合、腰椎部での神経の圧迫を軽減する手によるリハビリ治療を行います。腰椎周囲の筋肉が固くなり、神経の通り道を狭めているので、筋肉を緩めるように治療します。また、腰を丸めるストレッチを指導します。
腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合、腰椎の関節を調整する治療を行い、椎間板にかかる圧力を減らすようにします。また、腰を反らすリハビリを指導します。
梨状筋症候群が原因の場合、固くなった梨状筋を手で行う治療法や特殊な治療テーブル使った方法で徹底的に緩めます。また、梨状筋のストレッチ体操などのセルフケアを指導し、改善および再発予防に努めます。
また、姿勢や生活習慣などについても専門的なアドバイスを行います。このように、原因に対して多面的な治療を行い坐骨神経痛の症状を改善し、再発の予防もします。

参考文献:腰痛・坐骨神経痛治療フローチャート作成の試み

坐骨神経痛の治療のまとめ

坐骨神経痛は病名ではなく、症状です。腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群などによって起きる足腰の痛み・しびれです。竹谷内医院では、丁寧に診察し、正しい診断を下した上で、病態の合った治療やリハビリの指導を行っています。