むち打ちとは

自動車の追突事故などで、頚椎や胸椎、腰椎がむちを打つような動きを加えられて生じた障害のことをいいます。頚椎捻挫、外傷性頚部症候群、胸椎捻挫、腰椎捻挫などと呼ばれます。

むち打ちの症状

むち打ちでは、首の痛みだけでなく、様々な症状が出ます。例えば首、肩、背中の張り感、肩こり、頭痛、腰痛などに加え、重症の人だと腕の痛みや手のしびれなども出ます。むちうちで特徴的なのは、めまい、吐き気、耳鳴りなど痛み以外の不快な症状が出ることです。 また、事故の当日には症状をあまり感じなかったものの、後日になって症状が出ることもあります。

むち打ち症の問診・診察・画像検査

問診

むち打ちでは前述のように多彩な症状が出るため、問診で詳しく症状を伺います。また、どのような時に症状が現れやすいかをしっかり聞き取ります。

診察

次に首や腰などの痛む場所を触り、押して痛い箇所や筋肉の緊張度などを確認します。さらに頚椎や腰椎を動かして、症状が強くなるかを診たり、動かせる範囲を確認したりします。重症の方には、握力などの筋力検査や感覚などの神経に関する検査を行います。

画像検査

レントゲンやMRIなどの画像検査は、軽度のむち打ちの方には必要ありません。痛みが非常に強い場合や手足に痛みしびれなどの神経症状がある方だけに行います。画像検査では、残念ながら、骨折や脱臼が無ければ、むち打ちの痛みの原因となっている場所を見つけることはできません。つまり、画像検査で多彩なむち打ちの症状は説明できないのです。

むち打ちの当院での治療法

治らないなら早期に受診を

むち打ち症の患者さんで、受傷から1か月以上経っても治らない、あるいは病院の整形外科でリハビリを受けても改善がみられないなら、当院で行っているリハビリを受け、早期の治癒を目指すことをお勧めします。適切な治療を受けないと、半年から1年以上も治らないむち打ち症患者さんも多く、後遺症が残ることも珍しくないからです。むち打ちでは、関節や筋肉が複合的に損傷しているので、当院では、以下のような多面的な治療を行って治しています。

筋肉の治療

むち打ち症の患者さんの首の筋肉は、異常に固くなっています。筋肉が固まると、関節が圧迫されて関節から痛みが生じます。そこで、多彩なリハビリのテクニックによって、筋肉を異常な状態から健康な状態へと導きます。

関節の治療

前述のようにむち打ちで筋肉が固まってしまうと、関節を動かさなくなり、関節も固まります。そこで、関節の動きを改善する手を使った特殊なリハビリのテクニックを用いて関節がスムーズに動くようにします。

レーザー光線を使った筋肉や関節の治療

レーザー光線は、強い光の一種で目に当てると失明するほどです。それほど強い光であるレーザーを傷んだ場所に照射すると、組織の修復が促進されます。むち打ち症で使用すると、筋肉や関節が柔らかくなり、痛みなどの症状が軽くなります。

健康度をアップする生活指導

同じ事故でも人により現れる症状の重さが違う

同じ程度の交通事故に合っても、患者さんによっては重い症状が出て長引いたり、あるいは軽い症状で済んで早く治ったりと、現れる症状に大きな違いがあります。同乗者でも、症状の重さや治りやすさが異なるのです。それはなぜでしょうか。

健康度に着目して根本から治す

実はその違いは、事故前の体の健康度に根差しているのです。つまり、事故前に体が不健康な状態だと、重い症状が現れ、そして治りにくいのです。そこで詳しい問診を行って、もともとの健康状態を把握します。大抵、症状が長引いている患者さんは、以前から肩こりがあったり、寝違えを繰り返していたり、あるいは腰痛持ちであったりします。つまり、首や腰の状態が事故前から健康ではないのです。
そこで、事故前から首や腰の状態が悪かった原因を探ります。ほとんどの場合、生活上に問題があります。そこで問題点をしっかりと抽出し、健康度をアップする方策をお伝えします。
具体的には正しい姿勢の指導、ストレスの軽減法、睡眠の改善、食事栄養指導、運動の処方などの生活指導を行います。これらを行うと、むち打ちの症状がより早く改善し、なおかつ根本から治すことができます。