首こり・肩こりで最も多く見られる部位は肩甲骨の上部のあたりで、一般に「肩」と呼ばれる場所です。次いで多いのが後頭部と首の境界、首の後ろ側、のど元の左右、肩甲骨と背骨の間です。

首こりや肩こりは、後頭部や目の奥の頭痛、目の疲れ、息苦しさ、どの異物感、めまい、吐き気などの症状を伴うこともあります。

肩こりの原因

肩こりの原因の多くは猫背に代表される不良姿勢です。頚椎(首の骨)は4~5kgもある重い頭を支えているため、不良姿勢によって頚椎や肩の筋肉に大きな負担がかかります。

その負担のため筋肉が収縮を続けると「こり」になってしまいます。

長時間のデスクワークや生活習慣によって悪い姿勢に慣れてしまうと、その状態で背骨が固くなり不良姿勢が定着してしまいます。

長年の不良姿勢で固まってしまった背骨は自分で元に戻すことが難しくなります。背骨が固まったまま無理に良い姿勢を取ろうとしても、かえって疲れるのですぐに元の悪い姿勢に戻ってしまいます。

肩こりで整形外科の病院へ行くと、レントゲンを撮って、「ストレートネックが原因ですね。」などと言われることがあります。

しかし、ストレートネックは、不良姿勢の結果としてなった頸椎の形であり、ストレートネックという病気があるわけではりません。

ストレートネックとは

正常な頚椎は前方へ孤を描くようにカーブしているのに対し、カーブが無くなりまっすぐな状態になっている首をストレートネックと呼びます。

ストレートネックの状態では首の関節や筋肉に大きな負担がかかってしまいます。

起きている間は常に首へ負担がかかり休まる暇がないため、首こりや肩こりが慢性化してしまいます。

ストレートネックは生まれつきのものではありません。背骨は首から背中、腰と骨盤につながっており、全体としてゆるやかなS字のカーブを描いています。

猫背などで背中や腰のカーブが崩れると、頭が前へ突き出てストレートネックになってしまうのです。

ストレートネックが悪化すると、寝ている間に枕の高さが合わないだけでも首に不快感や痛みを生じます。

ストレートネックの治療は、首の治療をするだけではなく、背中や腰のカーブも含め全体的に正常に戻すことが必要になります。

一般に整形外科などで行われている首への牽引療法や、首を持ち上げてカーブを作るような枕だけでストレートネックが改善することはありません。

肩こりの整体治療と予防

猫背やストレートネックの状態になっている人の肩こりは、マッサージをしても一時的に楽になるだけですぐに元に戻ってしまいます。

整体で背骨の治療を受けて根本から改善し、さらに正しい生活習慣のアドバイスを受けて予防を目指すことが重要です。

首・肩こりを長い間放置すると頚椎への負担が蓄積して、寝違えのように突然痛みが出ることがあります。また更に肩こりを放置すると、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどの重い病気になることがあるので注意が必要です。

症例1 20代女性 肩こり

症状

2年前より首から肩にかけて慢性的なこり感があった。特に最近仕事が忙しくなってパソコンを使う時間が長くなり、肩こりが辛くなってきた。

体の状態

あごを前に突き出した姿勢をしていて、首や肩の筋肉が頭を支えるために常に使われていた。特に上部僧帽筋(肩甲骨の上側の筋肉)が強い緊張状態でこりの原因になっていた。

治療内容

姿勢の改善のために、頚椎(首の骨)と胸椎(背中の骨)の関節を矯正した。2週間で3回治療をして肩こりはほぼ改善した。仕事の合間に首や肩の簡単なエクササイズを行うことで再発を防いでいる。

コメント

元々の姿勢の悪さにデスクワークの負担が加わったことで症状がでていましたが、肩こりが解消して仕事の効率も上がったとご本人は喜んでいらっしゃいました。首・肩こりはできるだけ軽いうちに正しい治療を受けて治すことが大切です。慢性化すると痛みやシビレなどの症状が出て悪化していくことがあります。

症例2 30代女性 首こりと息苦しさ

症状

20代後半より仕事のパソコン作業で首こりがひどくなってしまった。職場ではストレスも強く、息苦しさも感じるようになってしまった。

体の状態

前かがみ姿勢のまま胸椎(肩甲骨の間の背骨)が固まり、肩甲骨上部からのどの前面にかけて筋肉が過剰に緊張していた。呼吸に必要な肋間筋(肋骨の間の筋肉)も硬直し、息苦しさの原因になっていた。

治療内容

胸椎を矯正し猫背姿勢を改善した。また肋骨の可動性を高め、肋間筋を緩める治療をおこなった。計6回(約1カ月)の治療で猫背の改善がみられ、首こり、息苦しさがほとんどなくなった。

コメント

胸椎、肋骨の治療と並行してパソコン作業中の座り姿勢を改善して頂きました。デスクワーク由来の症状の場合、作業姿勢の改善は必須となります。また息苦しさは、実呼吸の際に胸が広がりにくい状態からきていました。姿勢改善や体操など自身で実践できる取り組みをしっかり指導しました。

症例3 40代男性 肩こり、ストレートネック、不眠

症状

20代のころから肩こりがあったが、ここ2~3年で症状が強くなってきた。枕の高さが気になり眠りも浅くなってしまい、疲労感が抜けない。

体の状態

頚椎の正常なカーブが失われたストレートネックの状態で、後頭部と首の間の筋肉が強い緊張状態にあり、関節が固まっていた。また腰の正常なカーブも消失してまっすぐになっており、ストレートネックを作る原因になっていた。

治療内容

後頭部と頚椎の関節と腰椎に対して矯正を行った。2週間で4回の治療を行い、肩こりと不眠状態が改善され枕の高さも気にならなくなった。

コメント

不良姿勢によって背骨のS字カーブが崩れた姿勢になっていることが根本原因でした。症状が改善した後も仕事中や自宅での姿勢に気を付けていただいています。日中に良い姿勢を維持すればストレートネックの原因が解消されていくので、枕をいろいろと取り替える必要はなくなります。