【執筆者】整形外科医 竹谷内 康修
慈恵医大卒。福島県立医大整形外科に入局。米国のナショナル健康科学大学でリハビリ技術を習得。2007年東京駅の近くで開業。著書・マスコミ掲載多数。
東京駅・日本橋駅至近の整形外科
【執筆者】整形外科医 竹谷内 康修
慈恵医大卒。福島県立医大整形外科に入局。米国のナショナル健康科学大学でリハビリ技術を習得。2007年東京駅の近くで開業。著書・マスコミ掲載多数。
最終更新日:2019年12月12日 公開日:2019年12月12日
骨や軟骨の変形の理由は、加齢による摩耗、栄養吸収の低下、ホルモンの影響など様々ありますが、一番影響が大きいのは座り姿勢などの生活習慣です。年をとったこと自体が原因なのではなく、悪い姿勢などを長期間続けてきたことが、徐々に関節の変形を起こし、最終的には痛みを生じるようになってしまったと考えられます。
背骨の中は空洞になっており、脳の一部である脊髄が入っています。この空洞部分を脊柱管と言いますが、脊柱管の内部が狭くなり、脊髄を圧迫してしまう病気を脊柱管狭窄症と呼びます。脊柱管狭窄症の症状は、腰痛、足の痛みとしびれです。脊柱管狭窄症の方は、歩行や腰を反らす動作を行うと、狭くなった脊柱管の内部が更に狭くなるために症状が悪化します。逆に腰をまるめたり、しゃがんだりすることで症状が改善します。
背骨の間にある椎間板と呼ばれる軟骨が変形し、中身のやわらかい部分が飛び出てしまうことを椎間板ヘルニアと言います。ヘルニアによって背骨から足に伸びる神経が障害を受けると、腰からお尻、太ももの裏側にかけて痛みやしびれが起こることがあります。
脊椎が骨粗鬆症などで脆くなり、転倒や尻餅などのきっかけで、潰れるように骨折してしまうのが、圧迫骨折です。最も圧迫骨折を起こしやすいのは、胸椎と腰椎の移行部(背中の真ん中付近)です。骨粗鬆症が要因になることから、中高年の女性に多い病気です。基本的に安静にしていれば改善していきますが、神経が圧迫されている場合などでは手術が必要な場合があります。
カルシウム剤などの栄養補給や、骨粗鬆症の予防薬は、骨折の予防には有効な場合もありますが、骨や軟骨に負担をかけているのは姿勢の問題であるため、腰痛の改善や予防には役に立ちません。まずは姿勢や生活習慣を改善し、現在進行している関節や椎間板の変形を止めることが、最も重要になります。
当院の手で行う治療では、体全体の姿勢を検査し、腰のどの部分に負担がかかっているかを分析します。その後、背骨の関節の動きを一つずつチェックし、動きが悪くなっている関節を調整します。高齢者の場合は、背骨の変形によって動きが悪くなっている場合もありますので、手で行う関節の調整だけでなく患者さんの状態に合った体操療法も積極的に行います。当院では院長考案のオリジナルの体操療法によって、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を含む腰痛の治療で成果を上げています。また、腰痛の改善を効果的にし、再発を防止するために、日常生活でのアドバイスも行っています。