【執筆者】整形外科医 竹谷内 康修 

慈恵医大卒。福島県立医大整形外科に入局。米国のナショナル健康科学大学でリハビリ技術を習得。2007年東京駅の近くで開業。著書・マスコミ掲載多数。

最終更新日:2021年1月9日 公開日:2019年12月25日

産後の腰痛の始まり

妊娠中に腰痛を訴える方は多くいますが、産後もそのまま腰痛が残ってしまう方が少なくありません。また、妊娠前や妊娠中は腰痛がなくても、出産・子育てを契機に腰痛が始まる方もいます。

産後の腰痛の原因

出産の時がホルモンの分泌は最大になり、骨盤をつなぐ靭帯や軟骨は最も軟らかくなります。骨盤は3つのパーツに分かれ、産道が充分に広がることができます。出産後は再び3つのパーツはつながり1つの骨盤に戻ります。このとき仙腸関節のかみ合わせや、恥骨のくっつき方が不十分だと出産後に骨盤の不安定性や痛みが起きる原因になります。

また、出産後は赤ちゃんを抱っこしたり、子育てで前かがみになったりすることが増えるため腰痛を起こしやすくなります。

その他の原因としては、以下のようなものがあります

・ 育児による睡眠不足
・ 育児のストレス
・ 姿勢の変化(妊娠中についた反り腰のクセ)
・ 妊娠、出産以前からあった腰痛の悪化

産後の腰痛の治療法

産後は骨盤がキチンといい位置でくっついているかが重要になります。ズレたまま固まってしまうと腰痛を長引かせる原因になります。現代では出産後の入院が短く、すぐに通常の生活に戻る方が多いことも、産後の腰痛を起こす原因となっています。出産の後は、骨盤の状態の検査と適切なリハビリ治療を受けましょう。