起床時のぎっくり腰 40代男性

症状:

埼玉県在住の自営業(力仕事)の40代の男性が腰の痛みで来院。1年に数回のペースで腰痛を繰り返していた。今回は3日前の朝、ベッドから起き上がる際に発症。痛みは中腰から戻ろうとする時に右殿部上部に現れる。下肢に広がるようなしびれ、放散痛はない。腰痛は毎回右側に起きることが多い。20年前にサッカー中に膝を捻る怪我をし、右膝半月板切除術を受けている。2年前から右膝が腫れることがある。

検査:

姿勢をチェックすると右腰の痛みをかばうような逃避姿勢であった。前屈姿勢から立位に戻ろうとすると痛みが誘発された。また、下肢後面(特にハムストリング)の柔軟性が低下し、右腸腰筋の過緊張があった。筋力検査にて、右の中殿筋と腸腰筋の筋力が左に比べると弱く、片足立ちバランス検査でも右足の機能低下が起きていた。骨盤、腰部の関節可動に左右差がありいずれも右側が悪い傾向であった。右膝に腫れは無かった。

治療:

この方の場合、前屈姿勢から立位姿勢に戻ろうとすると痛みがでることから腸腰筋の問題が大きく影響している。前屈から戻ろうとすると腸腰筋は短縮された状態から伸びるので筋のスパズムが生じやすく、それにより痛みがでてしまう。まずは、腸腰筋や骨盤周りの筋肉の緊張をリセットさせることから始めて、次に右側の腰椎や骨盤の柔軟性をつけるために関節の矯正を行った。左右の足の筋力バランスを整えるためにも下半身の筋力トレーニングもやっていただいた。一回目の治療で症状が50%ほど改善し、3回目の来院で症状がほぼ消失した。今は再発防止のために月1回のペースで治療を続けている。

コメント:

今回のぎっくり腰も含めて症状がいつも右側にでるのは右膝の怪我の影響も大きいと思われます。右膝にかかる負担を無意識にかばううちに腰へ無理なストレスがかかっているように考えられました。よって普段の姿勢や中腰などに気をつけることに加え、膝周囲の筋力強化も腰痛予防の一つの鍵といえるでしょう。腰痛は一度患うと癖になる症状で、日常生活の中でいかに負担をかけない姿勢(中腰や反り腰等)を意識するかで再発率はグッと下がります。